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刃の研磨は砥石の状態や設定で効果が大幅に変わります。研磨していたつもりでも実際には不十分な研磨となっていることもあります。研磨前にはまず以下の各ポイントをチェックしましょう。
砥石のナイフと接触する箇所が黒く汚れている場合、ナイフが十分に研磨できません。汚れている場合はドレッシング作業をしましょう。
ドレッシングとは
目詰まりして研磨能力が落ちている面を削り取り、切れ味を取り戻す作業をドレッシングといいます。新たな研磨面を出すことで、新品の砥石のような研磨能力に戻ります。
ただし、ドレッシングをすると砥石のサイズが小さくなっていくため、砥石の再調整が必要です。
砥石の交差量で刃先の角度が変わります。
a)交差が大きい場合
鈍角な刃先に仕上がります。ワークを切るときの抵抗が大きくなり、切れ味が悪化するので注意が必要です。
b)交差が小さい場合
鋭角な刃先に仕上がります。よく切れそうに見えますが、ワークを切るときの抵抗に弱くなり、刃先がぶれて精度が出にくくなります。砥石径が小さくなると、小さい交差でもある程度鈍角気味に仕上がります。
c)適正交差の場合
1~3mm程度の交差で設定すると、比較的安定した刃先に仕上がります。切る材料の材質や比重によって切れ具合は異なりますので、材料に適した刃先角度を見つけ、交差を調整することが重要です。
d)交差していない場合
研磨により火花は発生しますが刃先はつきません。この状態では切れ味が著しく低下している状態となるため、適正交差への調整が必要です。
特に、ドレッシングを行った場合は砥石外径が小さくなるため注意が必要です。
a)適正位置
砥石の交点とナイフの位置が揃っていると、上・下それぞれの砥石より火花が発生します。ナイフと砥石が接触し火花が出始めるタイミングに、上・下同時に火花が発生するようであれば適正位置です。
b)下にずれている場合
上砥石からのみ火花が発生している場合は、砥石の交点が下にずれている状態です。砥石の交点を上げると火花が出なくなりますので、少しずつ砥石をナイフに近づけて再度確認します。
c)上にずれている場合
下砥石からのみ火花が発生している場合は、砥石の交点が上にずれている状態です。砥石の交点を下げると火花が出なくなりますので、少しずつ砥石をナイフに近づけて再度確認します。
砥石は消耗品です。適切なタイミングで交換しましょう。
次のような砥石は交換を推奨します。
a)砥石外径が小さくなった
度重なる砥石のドレッシングで外径が小さくなりすぎた場合、上下の砥石が交わらなくなります。適切な研磨が出来なくなるため、交換を推奨します。
b)砥石外径が上下で異なる
ドレッシングなどにより砥石の外径サイズに大きく差が出てくると、適切なナイフ研磨が出来ません。上下の砥石のサイズはある程度揃ったものをお使い下さい。
研磨の強さは火花の量で確認します。
上・下双方の砥石から下の画像程度の量の火花が同等に出ている状態が適正な状態です。
裁断中も常に研磨をかける場合は、先端を整える程度の研磨を行います。
裁断物に炭素素材等が混ざっている場合は消耗が激しいため、常時研磨でも通常時程度の研磨が必要になります。
研磨の頻度は加工内容や頻度に大きく影響します。
上記のような影響が出始めた場合は研磨をして様子を見てください。
切れ味は目で見てもわかりにくいため、定期的な研磨がおすすめです。毎朝作業開始時に10分程度の研磨を行ったり、作業の休憩毎に5~10分の研磨を行ったりすることで、安定的に切れ味を保つことができます。
研磨をするとナイフが削られ次第に細くなります。細くなることで剛性が減り、裁断に影響が出始めたら交換のタイミングです。
また、細くなったナイフがテンションに耐え切れず破断することもあります。ワーク裁断部を除き全閉カバーのためナイフが飛び出てくることはありませんが、裁断部でナイフが切れた場合はテーブル上でナイフが跳ねる可能性があるため、破断前の交換を推奨いたします。
機械には銘板が貼られており、そこに消耗品のサイズや仕様を記載しています。
銘板記載の寸法と本数をFAXまたはお電話にて弊社までご連絡下さい。
※バーチカル系のナイフは3本以上、スライス系のナイフは2本以上からのご手配となりますのでご了承下さい。
交換の際には下記の点に気を付けてください。
裁断時に出た切り屑や粉等をそのままにしておくと機械に悪影響を及ぼします。
研磨機付近や、バーチカル系の場合裁断部の上下にそれぞれ振れ止めユニットがあります。振れ止めのプレートの隙間に切り屑が溜まると汚れの付着の原因となり、ひどくなるとナイフが回らなくなります。カッター等でプレートの隙間の切り屑を取り除きましょう。
ナイフによって運ばれた切り屑がプーリの走行面に付着することもあります。ここに切り屑が付いたまま留まると、ナイフが前後に振れる原因にもなります。
ナイフを外し、プーリを手で回しながらカッター等で固着した切り屑を削り落としましょう。
スライス系の機械はナイフガイドの中にも切り屑が溜まりやすいため、カッターやエアブローで中にたまったゴミを取り除きましょう。
適度に給油を行うことで部品を長持ちさせることが出来ます。定期的な給油を推奨します。
グリースポンプでニップルより給油します。数ポンプ毎に手でプーリを回してベアリング内部に循環させながら給油します。
対象機種 | 全機種 |
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使用グリース | 日石パイロノック2相当品 |
期間・周期 | 3~6か月 |
グリースポンプでニップルより給油します。巻き上げユニット(ナイフテンションユニット)のカバーを外してから給油を行います。
対象機種 | スライス・サーキュラー |
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使用グリース | リチューム系グリース(JIS 2号)相当 |
期間・周期 | 6~12か月 |
グリースポンプでニップルより給油します。カバーのLMガイド用給油脂窓を開け、その位置にニップルがある状態までフレームを昇降させて給油を行います。
対象機種 | スライス・サーキュラー |
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使用グリース | リチューム系グリース(JIS 2号)相当 |
期間・周期 | 6~12か月 |
グリースポンプでニップルより給油します。カバーのボールねじ用給油脂窓を開け、その位置にニップルがある状態までフレームを昇降させて給油を行います。
対象機種 | スライス・サーキュラー |
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使用グリース | リチューム系グリース(JIS 2号)相当 |
期間・周期 | 6~12か月 |
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